成功する生き方-人格主義の回復

原則にのっとることの大切さ

もし成功したいのなら、大前提として、原則にのっとって生きていくことが大切です。

なぜなら、私たちが生きている世界には原則(法則)があるからです。
その原則を破れば、成功はおろか自分が痛手を負うことになります。

たとえば、自然の法則について考えてみましょう。

あなたが農業をやっているとします。作物の収穫を得るには、前もって畑を耕し種を植える必要があります。

適切な時期に種をまき、日光と雨、土という自然の恵みを受けつつ、数ヶ月の時を経たのちに作物は実りをなします。
そしてはじめて収穫をすることができるようになります。

作物が成長するには数ヶ月という時間がかかるのです。これが自然の法則です。

しかし、この自然の法則を無視して農業をしたらどうなるでしょうか。

周りの畑が収穫の時期を迎えていて、あなたがあわてて収穫を得ようと自分の畑に種をまいたとします。

次の日に、収穫の実りができているでしょうか

そんなことはありえません。
一日にしては、作物は育たないのです。

自然の法則を無視して、収穫を得ることはできないのです。

しかし、原則にのっとて行動すれば、往々にして豊かな実りを受けることができるのです。

同じように、人間界にも、普遍的な原則があるのです。

この原則は、人種、国、宗教、時代によって変わるようなものではありません。

たとえば、謙虚であること、誠実であること、勤勉であること、自制すること。これらのことは、誰もが重んじることです。

また、殺人を犯すこと、他者に不誠実であること、乱暴であることは、誰もが良くないと感じることです。

このように私たち人間の間にも、目には見えない「原則」があるのです。

人間の心の中には、何が正しくて、何が間違っているのか、という普遍的な「良心」が刻まれているのです。

もし良心にもとることをすれば、他者との間に不和や争いが生じて、自分もその悪影響を受けることになるのです。

私たちがこの世界で生きていくためには、この世にある「原則」にのっとることが不可欠なのです。

これはごく当たり前のことであり、
もっとも現実的な生き方なのです。

 

成功の原則がある

この世界には、自然の法則、人間界の法則というように「原則」があります。

そしてまた、成功にも原則があるのです。

成功の原則は、『7つの習慣』を書いたスティーブン・R・コヴィー師の研究によって見いだされました。

コヴィー師は、アメリカの建国から現代までの成功に関するあらゆる文献、論文を研究しました。
そして、それらに共通する普遍的な原則があることを発見したのです。

成功した人はみな一様に、人格主義に生きていたのです。

もちろん、この原則に従わずに経済的自由を得たり、名声を得て成功したという人たちがいます。

けれども、原則に従わずに生きた人々のほとんどが、一時的な成功で終わってしまったのです。

持続的な成功を手に入れるためには、人格を整えることが必要なのです。

人格主義の回復

成功するためには人格を整えることが不可欠なのです。

成功のための人格形成法を記したのが『完訳7つの習慣』です。

もちろん成功するためには、個人の能力も不可欠です。

しかし、人格が整っていなければ、能力があっても持続的な成功をおさめることはできないのです。

能力はあっても、人格が整っていなかったせいで、成功から転落した人は多くいます。

たとえば、お茶の間を席巻したタレントが不倫をしすべての仕事を失った事例、
また手腕に優れた政治家がパワハラや失言で辞任に追い込まれた事例など。

専門分野での能力はあるにもかかわらず、人格的な問題のせいで、成功を失ってしまうのです。

身近なところでも、同じようなことが起こっています。
能力は人一倍あるのに協調性が欠落しているせいでチームに協力できず、成果を上げることができないという人もいます。
そういう人は結局仕事ができない人とみなされてしまいます。

アップル社の創業者であったスティーブ・ジョブズでさえ、人格的な問題のせいで会社を追い出されるという痛い経験をしているのです。

たとえ優れた能力の持ち主であっても、人格が整っていなければ、痛い失敗を起こしてしまうのです。

もちろん、個人の能力は、成功にとって必要な要素です。

しかし、能力が活きるのは、整った人格があってはじめて可能となるのです。

成功のためには、人格を整えることが必須なのです。

この人格を整えることを、コヴィー師は「インサイド・アウト」と表現しています。

自分が置かれている状況や環境によらず、自分の内面を変えることによって、自分を取り巻く状況を変えるという在り方です。

 

現代では多くの人が「恐れや不安」、「今すぐ欲しい」、「あきらめ」、「非難と被害者意識」、「利己主義」といった問題の悪影響を受けています。

恐れや不安は知識のなさや、問題解決に焦点を合わせていないことによって生じます。

今すぐ欲しいという思いは、悪弊をもたらします。
自己成長や仕事の成果にも当てはめるからです。
人が成長したり、何らかの成果を出すには、時間がかかるのです。

それなのに、すぐに結果を求めてしまい成果が上がらないといって、すぐにあきらめてしまうのです。

また非難と被害者意識ですが、現代では顕著に見られる現象です。
人が何らかの失敗をすれば、すぐに非難し、誹謗中傷をあびせかけます。

また、自分が困った状態になったのは、周りの人や環境のせいだといいます。
しかし、自分の人生を生きたり、改善することができるのは自分しかいないのです。被害者意識をもっていては、自分でできる努力を怠る原因になります。

また利己主義は、人々に不利益をもたらします。誇大広告、詐欺的商売など。他者のことはかえりみず自分の利益ばかりを追求するのです。そうした在り方では成功も長続きはしません。

ここに挙げられた問題のすべては、
個人の人格に起因しています。

原則中心の生き方をして人格が整っていれば、生じない問題なのです。

原則中心に生き、人格を整えることが、成功のかなめなのです。

それでは、成功に欠かせない原則中心に生き、人格を整える『7つの習慣』の内容を見ていきます。

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