イマイチ感謝されないのは、なんで?
相手のことを思ってやったことなのに、いまいち感謝されない、と感じたことはないですか?
そんなあなたは、ある一つのことを行うだけで、状況が劇的に変わるようになります。
その一つのこと、というのは、相手に「何が望みか聞く」ということです。
「どうしたい?」「どうして欲しい?」「何がいい?」というように。
なんだ、当たり前のことじゃないか、と思った方も多いいでしょう。
けれども、このあたり前のことができていないことが多いんです。
ですから、他者との間に、気持ちのすれ違いやトラブルが起こってしまうんです。
あなたが妻や友人、職場の同僚に行う日常の親切が、「気持ちは嬉しんだけど…」という感じだとしたら、悲しくないですか?
おそらく、友人や会社の同僚は、それでもあなたのことを受け入れてくれているでしょう。
しかし、生活をずっと一緒にするパートナーなら、話は変わってきます。
いつも、微妙なことをされると、徐々にストレスがたまっていって、どこかのタイミングで溢れ出てしまうようになります。
些細なことでも、塵も積もれば山となるんです。
せっかく、大切な人を喜ばせたいと思ってやっているんでしたら、微妙なことではなく、心から喜ばれることをした方がいいですよね?
この話を聞いてくださっているあなたは、普段から、他者を気遣って行動している、思いやりのある人だと思います。
そうでなければ、自分の行いがあまり喜ばれていない、と悩んだりしないからです。
せっかく、大切な人たちを喜ばせてあげたいと思っているのでしたら、効果的なことをやった方が、相手にとっても、あなたにとっても良いと思うんです。
そう言う私ですが、以前は、「相手が望んでいること」ではなく、「自分がしてあげたいこと」を行っていました。
そのため、自分の親切な行為が「あまり喜ばれていないな」と感じることがしばしばあったんです。
そうした中で、「相手のニーズを聞く」大切さ、を学ぶ機会が与えられました。それ以来、相手に、「どうしたいのか」「何を求めているのか」「どうして欲しいのか」を質問するようになったのです。
そうやって、相手の望みを知った上で、アクションを起こすようになってからは、妻や子どもたちとの間に、不必要な「気持ちのすれ違い」や無駄な「トラブル」はほとんどなくなりました。
もちろん、完璧に行えている訳ではありませんが、「相手の必要を聞く」、ということを実践するようになってから、人間関係がより円滑になったことを、妻も私もお互いに認めています。
「相手の望みを聞く」ことへのちゅうちょ
聴いてくださっている方の中には、「相手の望みを聞く」ことが大切だと言われても、そんなのヤボだと思う方もいるかもしれません。大切な人の望みは、聞かなくてもちゃんと知っておくべきたと。
もちろん、大切な人が何を求めているのか、聞かなくてもすべて把握できるなら、それに越したことはありません。
しかし、もし「イマイチ相手が喜んでくれていないな」と感じているのでしたら、「相手に望みを聞く」ことは、とても有効な手段となります。
私たちは、どんなに親しい間柄の人であっても、相手のすべてを知り、把握するということはほぼ不可能だと思います。
たとえ、分かり合えていると思っている人でも、そのときの状況や気持ちによって、求めるものが変わります。
いつでも同じものを欲しがり、どんなときでの同じことをして欲しいと思う人などいません。その時々で、必要なことや、して欲しいことが変わるんです。
それなのに、状況を踏まえず、「これをしたら喜んでくれるかな」という自分の思いだけで、親切を行うなら、自己満足に終わってしまう恐れがあります。
やさしいパートナーなら、微妙な思いやりの行為でも、あなたの気持ちを喜んでくれるでしょう。
しかし、「気持ちは嬉しんだけど」と思われるより、心から喜んでくれる方が、あなたもいいんじゃないでしょうか?
きっと、相手が心から喜ぶ方を、あなたも望んでいると思います。
もしそうなら、相手が「何を必要としているのか」、知らなければなりません。
相手に心から喜んで欲しいのであれば、相手の望みに的確に応えなければならないのです。
感謝されないのは、欲しいものをもらえてないから
たとえば、奥さんが、ママ友とのトラブルを話してきたとします。
しばらく話を聞いた旦那さんは、いい解決策を思いついて、アドバイスをしたとします。
しかし、奥さんは「う~ん」とあまりいい返事をしません。
旦那さんは、奥さんのことを思って的確なアドバイスをしたのに、それを歓迎してくれないのです。
なぜかと言うと、奥さんは、ただ、話を聞いて欲しかっただけだからです。
助言を求めていたわけではないんです。
それなのに、旦那さんがアドバイスをしたものだから、微妙な反応になったんですね。
奥さんが「求めているもの」と、「与えられたもの」が、くい違っていたんです。
奥さんは、話を聞いてもらうことで、心のモヤモヤを晴らしたかっただけなんです。
多くの場合、「どうしたいか」ということの答えは、自分自身が持っているものです。
他者からの助言ももちろん役立ちますが、人は、自分が心から納得したことを、行おうとします。
奥さんは、なんとなくですが、自分の中に答えを持っていたのです。
誰でも、「自分がどうしたいか」ということは、心の中にちゃんとあります。ただそれが自分で気づけていないだけなのです。
ですから、「きみはどうしたいの?」と質問してあげることで、奥さんは自分の心の中にある思いを振り返ることができ、自分がどうしたいのか、気づくことができるのです。
奥さんは、今までの人生経験から、話をきいてもらうと、心のモヤモヤが晴れて、事態を改善できると、知っていたんですね。
だから、旦那さんに話しを聞いてもらおうとしたのです。
もし、旦那さんがじっくりと話をきいてあげて、「きみはどうしたいの?」と聞いてあげれば、奥さんは自分の思いに気づけて、すっきりしたと思うのです。
奥さんの本当の欲求は、「話を聞いて欲しい」です。
それなのに、アドバイスをしたから、微妙な反応になったんでね。
誰でも、求めているものと違うものをもらえば、「なんだかな~」と微妙な思いになります。
「相手の必要を聞く」
もし、相手が何を求めているのか、よく分からないのであれば、本人に確認すればいいだけです。
「どうしたいの」、「何をして欲しいの」と、聞けばいいんです。
もし、助言が欲しければ、そう言ってくれるでしょうし、ただつらつらと話すというのであれば、話を聞いて欲しいということでしょう。
「求めるもの」と「与えられるもの」の食い違いが、あまり感謝されない、おおきな原因の一つです。
この問題を取り除くためには、「相手の求め」をきいて、正確につかむ必要があります。
今、目の前にいる相手が「何を求めているのか」、「どうしたいのか」「何をしてほしいのか」、分からなければ、聞けばよいのです。
「僕にできることが何かある?」「どうしてゆきたいの?」「何が欲しい」というように。
最初から完璧に行うことができなくても、「相手の必要を聞く」ということを意識して、生活するだけでも、状況は変化していきます。
「相手の必要を聞く人」として、がんばってみてください。