『完訳7つの習慣』を紹介したい!!
という思いにあふれて記事を書きました。
それは、私が自身が『完訳7つの習慣』によって多大な恩恵を受けたからです。
実際に読んで、ためになったことはこんなことです。
学ぶメリットについて
・自分の人生の手綱を自分で握る感覚を持つことができるようになった
・自分の中にある価値観が明確になった
・物事に対する確かな判断基準が形づくられた
・他者と友好的な関係の作り方が分かった
・自分と他者の違いを受け入れられるようなった
・他者との協力関係(互助関係)の築き方が分かった
・自分の整え方が分かった
・成功の秘訣が分かった
これらの項目のどれか一つにでも関心があるのなら、読む価値ありの本です。
人を成功に導く『完訳7つの習慣』は、アメリカの建国以来、国内で出版された「成功」に関する文献のすべてを徹底的に調査して見いだされた内容です。
著者のコヴィー師が、何百冊にものぼる本・記事・論文に目を通して、それらに共通する「成功の鍵」を発見したのです。
その成功の鍵が習得可能なかたちで提供されたのが『完訳7つの習慣』(スティーブン・R・コヴィー著 キングベアー出版)です。
それでは、本の内容紹介についてお伝えします。
7つの習慣のアウトライン
原則中心に生きる
本書では、7つの習慣を紹介するに先立って、まず、成功に不可欠な在り方が提示されています。
それは「人格主義」です。
完訳版では副題が「人格主義の回復」となっているほどに、人格主義に生きることが成功の重大要素であり、7つの習慣に貫かれている在り方なんです。
その著書のコヴィー師が言う人格主義は、「原則中心に生きる」ことです。
7つの習慣の原則とは
「原則」というのは、人間関係における「この世の法則」のことです。
自然界にも法則があります。
例えば「引力」です。地球には引力があるので、物は下に落ちます。それと同じように、人間世界の中にも法則があるというのです。
その法則は宗教、国、民族を問わず、すべての人の中に存在する普遍的なものであると言うのです。
著書は具体例を上げており「公正」「誠実」「正直」「人間の尊厳」「奉仕」「貢献」といったものです。
つまり「原則」とは、誰の心の中にも普遍的にある「良心」のことをさしています。
時代や文化や民族によって変わることのない、人々の間に横たわっている法則のことを「原則」と言っているのです。
原則中心に生きるというのは、普遍的な良心を行動規範として生きるということです。
それが成功の秘訣であるというのです。
『7つの習慣』の構成
その原則中心に生きるための具体的な行動として7つの習慣が提示されています。
私的成功の習慣
第1の習慣 主体的である
第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
第3の習慣 最優先事項を優先する
この前半の3つの習慣は「私的成功」に関することで、自立した大人として不可欠な要素です。
この3つの習慣が身についてはじめて、対人関係における「公的成功」に向かうことができます。
公的成功の習慣
第4の習慣 Win-Winを考える
第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
第6の習慣 シナジーを創り出す
これらの「私的成功」と「公的成功」を持続するために、日々自分を磨きアップデートする「再生再新の習慣」が最後の習慣となっています。
再生再新の習慣
第7の習慣 刃を研ぐ
人が人として他者と共に、豊かにそして幸せに生きるための「原則」を具現化したのが「7つの習慣」なのです。
7つの習慣
私的成功(第1〜第3の習慣)
在り方
まず私的成功の習慣を身につけるために必要な「在り方」が紹介されています。
「インサイド・アウト」と「相互依存」です。
インサイド・アウト
まず自分を変えることによって状況を改善するという在り方です。
自分の不遇を嘆いて環境や人といった、まわりの責任にするのではなく、まずは自分の心や動機を変えることからはじめる、という在り方です。
それでは、私的成功に関する3つの習慣の各部を見ていきます。
第1の習慣 主体的である
①自分で考え、自分で選ぶ
主体的であるということは、「自分で考えて、自分で選ぶ」ということです。
多くの人は環境や周りの人に流されて生きています。
しかしそれでは、環境やまわりの人たちに、人生を左右されていることになります。
私たちは他者の言動や出来事に対して、
「どのように反応するか自分で選ぶことができる」のです。
たとえば、出社前に否応なしに妻(夫)と喧嘩になったとします。その気持を引きずって1日嫌な気持ちのまま過ごすのか、それともすぐに仲直り(電話などで)して、晴れやかな気持ちで仕事をするのか、自分で選ぶことができます。
主体的であるとは、他者や出来事に対する「反応を自分で選ぶ」ということです。
②自分がコントロールできること、影響を及ぼせることにエネルギーを注ぐ
著者は「影響の輪と関心の輪」という区別を用いて、私たちの時間や労力といったエネルギーを、何に注ぐべきなのかを明らかにしてくれます。
それは「直接コントロールできること」と「影響を与えられること」です。
私たちは多くのことに関心をもっています。
けれどもそのすべてを自分の思い通りに動かすことはできません。
「影響の輪」とは、自分が関心のあることで「自分にできること」と「影響を及ぼせること」です。その外にあるのが「関心の輪」で、関心があっても「直接コントロールできないこと」です。
自分で「コントロールできないこと」と「コントロールできること」の区別をはっきりと自覚し、「できること」と「影響を及ぼせること」のみにエネルギーを費やそう、ということです。
たとえば、子どもが勉強をしないという問題があったとします。
子どもの学習状況は親にとって重大な関心事です。
けれども、直接にはコントロールすることはできません。
「勉強しなさい!」と叱って無理やりさせることはできます。
けれども、親の目が届かなければすぐに勉強をしなくなります。
この問題に対しては直接コントロールすることはできません。しかし、間接的にはコントロールして影響を与えることはできます。
たとえば、子どもの学習場所を、子ども部屋からリビングに変えるとか、子どもが勉強している間は自分も側で読書するとか、環境を整えてあげることができます。
また、子どもが勉強をするようになる枠組みを一緒に作ることもできます。
私の家庭では7歳の息子と一緒に、平日の1日の過ごし方のスケジュールを作りました。
起床時間からはじまり、朝食の時間、支度時間、登校時間、そして帰宅してからの過ごし方、就寝までのスケジュールです。帰宅後、まずおやつを食べ、それから宿題(勉強)をするということにしました。息子はテレビゲームが大好きなのですが、午後6時までに宿題が終わっていたら、その後ゲームを30分することができるというルールにしました。
息子もルール作りに参加し自分の意見が反映されているので、自覚と責任をもってこのルールを守っています。
ルール通りに生活することが習慣化されてからは、「勉強をしなさい」と言ったことは1度もありません。目に見えるところにルールとスケジュール表があるようにすれば、すぐに習慣化できるようになります。
今ではゲームがしたいからという動機ではなく、学ぶこと自体が楽しく思えるようになったようです。勉強をすることが自分にとってメリットになる(楽しい、面白い、自分のためになるなど)ということがわかれば、子どもは自ずと勉強するようになります。
子どもが勉強をしないことでイライラしてしまうのは、無理やり子どもをコントロールしようとしているからです。だれだって強制されれば反発します。「勉強しなさい!」と口うるさく言っても、ダラダラして一向に行動に移することはないでしょう。たとえ表面的には従っていても親がその場にいなくなれば、すぐに遊びほうけてしまいます。
それを見て、また叱るという悪循環がなされるのです。
私たちは、直接コントロールできないことをしようとするからストレスがたまるのです。
ですから「自分ができること」に徹することが大切なのです。
私たち親ができることは、子どもが自発的に「勉強をしよう」と思えるように働きかけることです。
私たは、願っている結果を得るために「できること」を見極め、そのことにエネルギーを集中することが大切なのです。
このように、主体的であるとは、「どう反応するか自分で選ぶこと」であり、自分の「できること」と「できないこと」の分別を持ち、「できることにエネルギーを注ぐ」生き方なのです。
第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
「終わり」というのは人生の結末のことです。
自分の人生がどういうものであって欲しいのか。それを考える際の最適ツールが、「自分の葬儀をイメージする」というものです。
自分の葬儀が行われている光景を想像してみてください。
そこで家族や友人が弔事を読んでいます。
あなたは、家族や友人からどのような人だったと言われたいですか?
このとき思い浮かんがことが、あなたにとって最も大切なことです。
私の場合、「家族思いの人だった」と言われたいです。
つまり、私にとって最も重要な価値観は、家族との絆ということです。妻や子どもたちとのふれあいを大切にし絆を深めることが何よりも重要だということです。
また「使命を全うした人だった」とも言われたいと思いました。
この世に生を受けた自分という賜物を100%使い尽くして、神と人々のためになることをする。これが社会的な役割りにおいて成し遂げたいことだと分かりました。
あなたは、どのような言葉を思い浮かべましたか?
その言葉が、あなたが心から願っている人生の成果です。
本当に欲しい成果が分かれば、それを得るために、どのような行動をすればよいかが分かります。
ここで、人生の欲しい結果を得るための行動規範として「ミッション・ステートメント」を作成します。
ミッションとは使命であり、ステートメントは宣言文のことです。つまり、「自分の命をどのように使うのかを書いた文」のことです。
このミッション・ステートメントを目に見える場所に貼り出し、寝る前と起床後に読み、1日をミッション・ステートメントに沿って過ごすというものです。
原則中心に生きるのと同じように、自分のミッション・ステートメントに沿って生きるようにすれば、欲しい結果が手に入るのです。
ちなみに、私のミッション・ステートメントは、
「自分を生み出してくださった神に感謝し、与えられた自分の命を家族と委ねられた人々のために使い尽くして自分サイズの成果を上げる」です。
あなたも『完訳7つの習慣』を手にし、実際にミッション・ステートメントを作り、行動規範として用いてみてください。
きっと、人生が好転していく感覚を味わうことができるようになります。
第3の習慣 最優先事項を優先する
第2の習慣の「終わりを思い描くことから始める」で、自分が本当に欲しい人生の成果が分かったと思います。
けれども、日々の忙しさにかまけて本当に大切なこと(最優先事項)が後回しになっているのが現状ではないでしょうか。
そこで2つの質問に答えてみてください。
Q1.現在はしてないが、もし日頃から行っていれば「私生活」にポジティブな結果をもたらすと思うことを1つ挙げてください。
これは私生活に関する質問です。
そして答えは、「あなたが望む人生の成果」に直結する、具体的な行動です。
私の場合は「毎日子どもと遊ぶ」でした。
この質問によって私生活における欲しい成果につながる、具体的な行動が見いだされます。
続いて
Q2.現在はしてないが、もし日頃から行っていれば「仕事・専門分野」にポジティブな結果をもたらすと思うことを1つ挙げてください。
これは公的な分野の質問です。
私の場合は、「ネットで有益な情報を発信をする」でした。
あなたも欲しい人生の成果にのっとった具体的な行動が頭に浮かんだことでしょう。
これらの答えが、あなたの行うべき「最優先事項」です。
それでは次に、これらを実行するステップに移ります。
多くの人は、一番大切なことだと分かっていることも、緊急の仕事や行事をこなすことを優先してしまいます。そうならないために、スケジュールを立てるのです。
先ほどの答えによって表された2つの行いを1週間のスケジュールに書き込むのです。仕事やプライベートのイベントなどを書き込む前に、まっさきに、最優先事項を書き込むのです。それから、仕事やプライベートの行事などを書き込むのです。まずは最も大切なことを行うための時間を確保するのです。そしてそれを実行すると自分に約束し守るのです。
ここで私が励まされた著者の言葉を引用します。コヴィー師は、
「成功する人は、成功しない人が嫌がることを行っている。成功した人はみな感情を意志に従わせている」といっています。これは成功に関するすべての文献を研究することによって導き出された事実なのです。
実行に移すか移さないかが、成功するかそうでないかの分かれ目なのです。
「行ったら自分のプラスになること」を、スケジュールに組み込んで、実行していきましょう。
公的成功(第4~第6の習慣)
在り方
相互依存
人間は誰でも最初は他者に「依存」しています。赤ちゃんは親の助けなしには生きることはできません。
けれども教育を受けて成長し、自分のことは自分でできるように「自立」します。
そして、他者との関係の中で、互いに助け合い、互いに支え合う「相互依存」の関係を持つことで、社会の中で豊かに暮らすことができるようになります。
「人間はひとりで生きるのではなく、互いに助け合う者」として生が与えられているからです。
一人でできなくても他者と協力することによって素晴らしいものを作り出すことができます。絆や友情も得られます。
人は、自立するだけでなく、そこからすすんで他者と協力関係を築く「相互依存」の関係を持つことへと送り出されています。
社会がより豊かになり素晴らしい発展をとげるには、人々の協力が不可欠だからです。
人は「依存」から「自立」へ、そして「相互依存」へとステップアップする必要があるのです。
信頼残高を貯める
人間関係において、日頃から信頼を得る行動をとることが大切です。それは、
・相手を理解する
・小さな気遣い(思いやり)
・自分の期待を明確に伝える(勇気)
・約束を守る(誠実)
・信頼を損ねたら謝る
これらが基本になります。
それでは公的成功の3つの習慣を見ていきます。
第4の習慣 Win-Winを考える
「Win-Win」とは、他者と競争するのではなく、協力するものであるということです。
ただ、多くの人がこの法則から離れて、他者との間に「Win-Lose」か「Lose-Win」はたまた「Lose-Lose」の関係を作ってしまうのではないでしょうか。
「Win-Win」の関係を築くのは、自分の中に確かな原則がないと実現もむずかしくなります。「思いやり」と「勇気」のバランスが大切だからです。
では、他者との取引における結果の分類を見てみましょう。
「Win-Win」
自分も勝ち、相手も勝つ。それぞれが欲しい結果を得る。
「Win-Lose」
自分が勝ち、相手は負ける。
相手は嫌な気持ちになり、あなたも後味が悪い。
「Lose-Win」
自分が負けて、相手は勝つ。
あなたは嫌な気持ちになる。迎合するのもこの関係。
「Lose-Lose」
自分も負けて、相手も負ける。これは、お互いが自分の主張を押し付け、争いになるケースです。喧嘩、紛争など。
「Win」
自分だけの勝ちを考える。
相手がどうなるか関心がない。自分さえよければいい。…これはヤバい
Win-Winの関係になるのがもちろんいいのですが、それがすべてではないのです。
ここで、著者は「Win-Win or NoDeal(取引なし)」という考え方を提示してくれます。
もちろん最初は「Win-Win」を模索するのですが、両者が納得のいく取引ができない場合には、「NoDeal(取引なし)」の選択をするということです。
これは交渉決裂して、終わるということではありません。
相手との間に、本当の信頼関係を築くための必要な選択なのです。
以下が、「Win-Win or NoDeal(取引なし)」のあり方です。
まず相手に「Win-Winの関係を目指したい」と伝えます。
「私だけが欲しい結果を手に入れてあなたに不満が残るようなことはしたくありません。またあなたの思い通りになったとしても私が満足しなければ、あなたも後味が悪くなるでしょう。ですから本当にWin-Winを考えましょう」と。
そして「十分に話し合い、最終的にWin-Winになる案がでなければ、合意しないことにしましょう。両者が満足しない案でやっていくよりは、取引しない方がいい。そうすれば、今後またお互いに協力する接点があるかもしれません」と誠実に告げるのです。
ここが人格主義たるゆえんです。
やり取りの根底には信頼関係を築こうとする意志があるのです。
取引をしないことは、短期的に見れば損失に思えるかもしれません。
しかし、長期的に見れば、賢い選択なのです。
もしどちらかに不満が残れば、今後信頼関係を築くことが難しくなるからです。どちらかに不満が残るやり方では、かならずシワ寄せがやってくるからです。
私たちは、仕事だけでなく家族や友人との間でも、なんらかのやり取りをします。そのときにとるべき考え方が「Win-Win or NoDeal(取引なし)」なのです。
これは、信頼関係を築こうとする意志が土台となっています。
それとは逆に、「Win-Win or NoDeal(取引なし)」を拒絶する人は、信頼関係を築けない人だ、ということです。
私たちは公私の人間関係をどのように築くのか「自分で選ぶことができる」のです。
お互いのパワーバランスの崩れた関係を持ちたいのか、それとも互いに信頼できる友好的な関係を築きたいのか。
それを自分に問うてみてください。
今まで争いを避け、相手に合わせてきた人や、
嫌われたくなくて迎合してきた人、
拒絶されるのが怖くて、相手の言いなりになってきた人。
こうした人たちにとっては、「Win-Win or NoDeal(取引なし)」は勇気のいる在り方だと思います。
けれども、あきらめないでください。
あなたがはじめの一歩を踏み出せば、かならず変化が見られます。
最初は、まわりの人たちから、「感じが悪くなったね」といったことを言われるかもしれません。
しかしそれは、あなたを思い通りにできなくなったことへの不満なのです。
相手が本当にあなたのことを思ってくれる人なら、あなたの意見や考え、思いを尊重してくれるはずです。
そうでないのなら、まともな関係を築けない人の可能性が極めて高い人たちです。
そうした関係にしがみついていても、遅かれ早かれ行き詰まってしまいます。
あなたは、望んでいる関係を手に入れることができます。
正しい「原則」を学び、それを行う決意をし、習慣化させれば、必ず手に入ります。
私自身、この原則を学び実生活で行うようになってから、人を恨んだり、憎んだりする苦しみから解放されました。
ぜひ、あなたが欲しい関係を手に入れるようにしてください。
あなたは自分で選ぶことができるのです。
第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
人は誰でも、自分を理解して欲しいと願っています。そのため、話をしたがります。人が話している最中も何を話そうかと考え、自分が話すことにばかりに関心が向きがちです。
それとは逆に、いつも聞き役になってしまって、うんざりしているという人もいるでしょう。
他者との間に信頼関係を築くためには、どちらも改善が必要です。
信頼関係を築くには、お互いに理解する必要があるからです。
その在り方が「まず理解に徹し、そして理解される」です。
誰でも承認欲求をもっているので、人に自分のことを分かって欲しいと願っています。
みんな話を聞いて欲しいのです。
しかしそれは相手も同じですよね。
ですから、まず自分が相手を理解しようとすることが大切です。
「インサイド・アウト(まず自分を変えることからはじめる)」の在り方ですね。
では、「まず理解に徹し、そして理解される」を実践するときの心構えを確認します。
それは、「思いやり」と「勇気」のバランスを持つことす。
どういうことかというと、相手を理解するときには「思いやり」が必要だということです。そして、自分の思いや意見を伝えるのは「勇気」がいるということです。
まず理解に徹し
「まず理解に徹する」についてです。
テクニックとしてアクティブ・リスニングや傾聴を用いてもだめなのです。
根底に相手を思いやる心がないと、本当の理解はできないからです。
それは相手を受け入れようとする姿勢とも言えます。
「あなたと信頼関係を築きたい。だからあなたのことを知りたい」という思いが必要なのです。そのとき、相手を評価することなく、ありのままを見て取ることができるのです。
対話をもつときの具体的なポイントとして、
「評価をくださない」
善し悪しを決めない
「探らない」
自分の視点から質問しない
「助言しない」
自分の経験に基づいて助言しない
「解釈しない」
自分の動機や行動をもとに相手の動機や行動を捉え、解釈しない
これらに気をつけて相手と向き合うと、相手の本当の姿、本当の願い・欲求が見えてきます。
相手を理解するためには、「思いやる」という心構えが重要だということです。
けれども、それを心で思っているだけではダメなのです。
思いが相手に伝わらないと意味がないのです。
どんなに思いやりをもっていても、相手にそれが伝わってなければ、それは独りよがりなのです。
ですから、あなたの思いが伝わるコミュニケーション法が大切になるのです。
ここで質問です。
相手に一番大きな印象を与えるのは、次の3つのうちどれでしょうか?
「言葉の内容」
「声やトーン」
「ボディランゲージ」
コミュニケーションの専門家によると、
言葉の内容10%、
声やトーン30%
ボディランゲージ60%です。
ボディランゲージが大切なんです。
でも海外の人みたいな身振り手振りをするということではありません。
相手の目を見る、相手に体を向けるといった、「話を真剣に聞いている姿勢」が大切だということです。
まず相手に思いやりを持ち、そして、誰にでも「理解されたい、認められたい、必要とされたい、感謝されたい」という気持ちがあることを踏まえて、評価をくださずにありのままの相手を受け取ろうとする。
そのとき、相手のことを正しく理解し、相手の望みを正確に捉えることができます。
これらを完璧に行うことはむずかしいかもしれません。
けれども、在り方と具体的な方法が分かれば、その分取り組みやすくなります。
相手を理解しようとしている。その思いは相手に必ず伝わるものです。
私は仕事がら、人と1対1で話す機会が多いのですが、相手がどういう思いをもって対話に臨んでいるかは分かるものです。
きっとあなたも、これまでの経験の中で、相手の言動が上辺だけのもなのか、それとも本心からのものなのかを、感じ取ったことがあると思います。
「思い」は、自分が考えている以上に、相手に伝わるものです。
コヴィー師はそのことを踏まえて表面的なテクニックに走らず、まずは心構えと在り方を整えることが重要だと言うのです。
その方が良い成果を生み出し、結局のところ効率がいいのです。
本心から相手を理解するとこに徹する。
そうすれば、相手は心を開き、こちらのことも理解しようとする心ができ上がっているのです。
そして理解される
自分のことを理解してもらおうとすることは勇気のいることです。
自分の思いや考えを伝えた時、相手に拒絶されたり、批判されるのではないかという不安があるからです。
しかし、人道的に外れたことや良心にもとることでもない限り、おうおうにしてあなたの意見を受け入れてもらえます。
しかし、もしあなたの思いや考え、要求がはねつけられるのであれば、そもそも信頼関係を築ける相手ではない可能性が高いです。
職場やあなたが所属するコミュニティで、誰とでも対等な関係を築け、信頼関係を持ている人がいると思います。その人をよく観察してみてください。恐らくそれらすべての人が、相手を理解するだけでなく、自分のこともちゃんと主張できているはずです。
自分が望むことをちゃんと伝えることができていると思います。
そうやって、お互いを尊重し合う関係ができているから、良好な関係を保てるのです。
第5の習慣を身につけるには「思いやり」と「勇気」のバランスが大切だといいました。
相手を理解するだけでも、自分のことを主張するだけでもだめなのです。
バランスが重要なのです。
あなたの心や頭の中にあることは、あなたにしか分かりません。
それを察してもらおうとするのは、むしが良すぎます。
相手が理解できるように、自分の思いや考え、望んでいる結果を伝えることは大切なのです。
相手の視点に立ち、相手の考え方や感情に配慮しながら、自分の考え、立場、気持ちを伝えるのです。。
「まず理解に徹し、そして理解してもらう」在り方が習慣化すれば、あなたの人間関係はとても豊かになります。少なくとも、嫌悪感を持つ関係は解消されます。
第6の習慣 シナジーを創り出す
シナジーといのは相乗効果のことです。コヴィー師の考えにのっとって言えば、相乗効果が発揮されるのは、互助関係が持てている状態のときです。互いに自立し、自分のことには責任を持ち、また他者に対しては誠実な人である必要があります。お互いが成熟した人(思いやりと勇気のバランスがとれている人)で、互いの違いを尊重できるとき、大きな相乗効果が生まれます。
AさんとBさんがいて、それぞれの力が1だったとき、普通なら1+1=2となると思います。しかし、互助関係を持てている両者の場合、1+1が5にも10にもなり得るのです。それはなぜかというと、互いに一人のときには生み出すことのできなかった「新しいもの」が生み出されるからです。
一人で取り組んでいるときには、自分の視点で物事を考えます。
しかし互助関係にある人と協力すれば、お互いに相手の視点に立って物事を考えられるようになります。
すると、それぞれの視点の延長線上にはなかった、まったく別の新しい視点を持つことができるようになるからです。同じような考えを持つ人と協力するよりも、違う考えを持つ人と協力できるなら、相乗効果は大きくなるのです。
そうは言っても、考えが異なる人たちが、一致協力するためには、両者を結び合わす「協定」が必要になります。「協定」は、一緒に取り組むさいの約束のことです。この約束に沿って共同作業を進めるのです。
協定に必要な要素
①望む結果
どのような成果が欲しいのか予め設定する必要があります。目標がなければ物事は正しい方向に進まいないからです。
②ガイドライン
規則や方針を決めておく必要があります。良い成果を生み出すためには正しい手段が必要だからです。結果を出せば何をしても良いわけではないからです。
③リソース
欲しい成果を得る際の人員、資金、技術、組織を計画します。
④アカウンタビリティ
成果を評価するための基準を定め、仕事の進み具合を報告する義務。
これを怠ると、期限内に目標達成ができなくなることもあります。
⑤報酬に関して
これは必ずしも金銭である必要はありません。精神的報酬でも構わないのです。
私たちは他者と協力するからこそ、自分ひとりでは生み出すことのできない、素晴らしい成果を手に入れることができるのです。
相乗効果を生み出す関係を持つには、ます信頼関係を築き、互いの違いを尊重できるように、理解し理解されるコミュニケーションをもつことが重要です。
これは、仕事関係の人だけでなく、配偶者や子どもにも応用できることです。
再新再生の習慣(第7の習慣)
第7の習慣 刃を研ぐ
私たちは忙しく働けば心も体も疲労します。ストレスがたまり物事に対する意欲も低下します。また、社会は目まぐるしく変化していますので、それに対応する必要があります。こうした内的・外的要因にせまられるので、私たちは再生再新する必要があるのです。
第7の習慣である刃を研ぐは、成功を持続するために必要なことなのです。
生活していれば心も体も疲労したり弱ったり、今の知識だけでは対応できない問題に直面したりするからです。
著者は成功を維持するために「刃を研ぐ」必要があるといっていますが、具体的には4つの項目について語っています。
「肉体」
「精神」
「知性」
「社会・情緒」
(社会生活や対人関係における心の平和)
肉体
心も体も疲れたまま働き続けることはできません。できたとしてもパフォーマンスは下がり、必要とされる成果を生み出すことはできないでしょう。
そのため、心を整え、体を整えて、意欲も体力も十分な形を維持する必要があるのです。健やかな体を保つためには有酸素運動と筋トレが効果的です。私も最低週に合計2時間以上のウォーキングやジョギングといった有酸素運動と、隔日の筋トレ習慣を持つようにしています。そのおかげで健やかな心、意欲、疲れにくい体を手に入れることができました。
精神
精神性を高めるには、マインドフルネスや哲学などの学びが有効です。ちなみにコヴィー師は毎日『聖書』を読んでいると言っています。
知性
読書をする。自分の仕事に必要な分野以外にも幅広く読むといいようです。
私も毎日の読書習慣を持つようになって、仕事でも私生活でもかなり上向きになりました。今までになかった視点、物の考え方、知識、判断の仕方などを手に入れることができ、毎日がホント楽しくなりました。
社会・情緒
自分の生き方が「正しい原則」と「価値観」に一致してはじめて心の平和を得ることができます。
私も自分の価値観とは合わない形で仕事をしていたとき、鬱屈とした思いをいだき続けていました。それは誰のせいでもなく自分に原因があったのです。新しい一歩を踏み出す勇気がなかったのです。しかし、読書によって得た知識をもとに、自分の価値観を確認することができ、その価値観は信仰や普遍的な良心にも反していないどころか、一致していることを知ることができたのです。そして実行に移したとき、心の安らぎを得ることができたのです。
いまでは、毎日が充実し楽しくて仕方ありません。仕事も楽しくてしかたありませんし、家族とも幸せに過ごせています。
私的成功、公的成功を維持し続けるためには、自分の心身を整え、精神を養い、学習し、情緒的平和を得る必要があるのです。
肉体、精神、知性、社会・情緒に心を配り、意識して整える枠組みを生活の中に持っておく必要があります。
私は毎日、起床後すぐから1時間の読書習慣を持っています。また夕方には30分から1時間運動します。また精神の養いのために聖書を読み、心の平和を保つためには、様々なメンターから学んでいます。
まとめ
第1の習慣 主体的である
人や出来事に対する反応を自分で選ぶことができる
第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
自分の葬儀で家族や友人からどのように評されたいか。その答えがあなたが望んでいる人生の成果です。ここにあなたの価値観があらわれています。
第3の習慣 最優先事項を優先する
明確になった価値観にそって、「現在はやっていないけど、これを行えば私生活や仕事において肯定的な成果がでること」を一つずつあげる。
それを1週間のスケジュール帳に他の用事よりさきに書き入れる。
そして実行する。
第4の習慣Win-Winを考える
「Win-Win」の本質は、競争ではなく協力である。他者と取引をするさいは、「Win-Win or NoDeal(取引しない)」の選択肢も持ち、まずは両者が納得いく案を模索し、それがかなわない場合には、今後の信頼関係構築を願って、「NoDeal」にする。
第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
上辺のテクニックではなく心から相手を理解したいという思いが重要。
相手に評価をくださず、ありのままを観察し、相手の本当の姿、本当の願いを見出す。
相手は自分が理解されたことで心を開き、あなたを受け入れる姿勢が整う。
そこで、相手の視点に立ち、相手の考え方、感情に配慮しながら自分の気持や考えを伝える。そうやって信頼関係を築く。
第6の習慣シナジーを創り出す
まず相手と信頼関係を持つことが必須。そして互いに違いを尊重して協力する必要がある。そのさいには協定を結び、一定のルールをもとに共同事業を進めます。そうすれば、新しい視点による、まったく新しいものが創造される。
第7の習慣刃を研ぐ
第1から第6の習慣を継続し、成功を維持し続けるためには自分を磨く必要がある。それは「肉体」、「精神」、「知性」、「社会的情緒における心の平和」の4つを、常に再生再新させることです。
運動、学習、思想を深める学びの習慣を持ち、自分の生き方を正しい原則と価値観に一致させることを意識することです。
おわりに
私は、「原則中心に生きる」生き方を、自分の生活に導入してから、人生が拓けてきました。
『完訳7つの習慣』と出会うことによって、大きな恩恵を得ることができたのです。とても素晴らしい本なので、あなたにも紹介したいと思った次第です。
このブログは私の視点に立った要約なので、偏りがあるかもしれません。もちろん完璧でもありません。ぜひご自分で入手して『完訳7つの習慣』を読んでみてください。
今のあなたにとって必要なことが、必ず得られるはずです。
あなたの人生が拓けることを祈っています。
タラントン