人生の重大な決断がなかなかできない人のための、人生の「羅針盤」の作り方

人生において重要な決断を迫られる時、どうするか迷ってしまい、なかなか決断ができないということがないでしょうか?

「どちらを選べばいいのか」
「どの方向が正しいのか」
迷いが募るばかりです…。

しかし、決断が私たちの人生を変える可能性を秘めていることもまた事実です。

そこで今回は、決断を迫られた時に葛藤してしまう方が、すぐさま決断できるようになる秘訣についてお伝えします。

この記事を読み進めることで、あなたの未来に向かって新たな一歩を踏み出すためのヒントが得られるかもしれません。さあ、一緒に自分自身と向き合い、新たな可能性を見つけましょう!

自分の「価値観」が、人生の全ての決断を左右する

実は、自分の「価値観」が、人生のすべての決断を左右しているのです。

「自分にとって大切なことは何か」を自覚していれば、決断するのは簡単なのです。

何かを選ぶときに、自分の価値観にしたがって選択すればいいからです。

ところが、価値観を明確にしていないと、意思決定は葛藤の連続になるのです。

「人生の重大な決断がなかなかできない」原因

  • 価値観が明確になっていない
  • 価値観がそもそも分かってない
  • 矛盾する価値観を合わせ持っている

何を選び、何を選ばないか。

決断を下すときには、自分にとっての良し悪しを決める判断基準が必要になります。

その判断基準こそ、自分の「価値観」なのです。

何が好きか、何が好きでないか。何が自分を喜ばせ、何が嫌なことか。そうしたことがはっきりと自覚できてないと、決断するときに迷うことになるのです。

自分の価値観を明確にするために知っておくこと

自分の価値観を明確にするために、まず知っておくことは、人生の「目的」と「手段」をはき違えないことです。

人生の「目的」と、それを得るための「手段」を混同させると、望む結果を得ることができなくなるからです。

たとえば、多くの人にアンケートをとって、「あなたの人生にとって何が大切ですか」と質問すると、多くの人が以下の3つを挙げます。

例)

  • 家族
  • お金

実は、「家族」と「お金」は手段なのです。

というのも、家族やお金から得られるものを深掘りすると

「家族」→愛、やすらぎ、幸福

「お金」→自由、影響力、安心、人の役に立つ

といった返答が返ってきます。

ですから、家族やお金が大切だというとき、人々が本当に欲しいものは、

  • 安らぎ
  • 幸福
  • 自由
  • 影響力
  • 安心
  • 人の役に立つ

なのです。

人が本当に欲しいものは、人やモノ自体ではなく、それらから得られる「感情」や「状態」なのです。

そのため、お金持ちになったのに、幸福感を得られないということが起こるのです。

このように、私たちが本当に欲しいのは、「感情」や「状態」だということを押さえておくことが重要になります。

私たちの人生の目的は、自分が望む「感情」や「状態」を得ることなのです。

自分が望む「感情」や「状態」が手に入るとき、私たちは幸福を感じ、人生に満足を覚えることができるのです。

このことを踏まえて、何を優先させれば「幸福」を得られるかを明らかにすることが大切です。

自分の価値観を明確にする方法

①何を優先させれば「幸せ」を実感できるかを知る

例)

  • 成功
  • 自由
  • 親密
  • 安全性
  • 冒険
  • 情熱
  • 安らぎ
  • 健康

どれも大切ですが、全てが同じくらい大切というわけではありません。

【ワーク1】

上記を参考にして、自分の人生で大切な「感情」と「状態」を10個リストアップして、
優先順位を付けてください。

②何があっても避けたい感情を把握する

人は、嫌なことを避けるためには、いともたやすく幸福の追求を犠牲にしてしまいます。
私たちは決断を下すとき、脳内において、この行動が「快感」につながるか、「苦痛」につながるかを判断しています。もし、行動が苦痛につながると予想されることなら、その行動を避けようと必死になるのです。

たとえば、もしスカイダイビングに誘われたとしても、何よりも恐怖を回避したいと考えている人なら、そのような誘いには絶対に乗らないことでしょう。

けれども、最も回避したいのが恐怖ではなく、人から拒絶されることだった場合、スカイダイビングの誘いを断ることで相手から拒絶されるとしたら、きっと恐怖を感じながらも、飛行機から飛び出すことでしょう。

嫌なことを回避>幸福の追求

このように「苦痛」のレベルは、私たちの判断に影響を及ぼすのです。

一般的に、何があっても回避したい感情・状態は以下のような返答が寄せられます。

例)

  • 拒絶
  • 怒り
  • 失望
  • 孤独
  • ゆううつ
  • 屈辱
  • 罪悪感

【ワーク2】 絶対に避けたい感情を把握する

上記を参考にしながら、これまでに経験した、絶対に避けたい「感情」や「状態」をリストアップして、順位を決めてください。

③「相対する価値観」の混在を確認する

私たちが、なかなか決断できないのは、対立する価値観を合わせ持っていることが原因です。

たとえば、最も大切にしたい感情・状態が「成功」で、最も避けたい感情・状態が「拒絶」だとしたら、人生にどのような問題が生じるでしょうか。

長期的に見れば、「拒絶」による苦しみを経験することなしに、「成功」の喜びは手に入りません。

人生で最大級の成功を収めたいなら、「拒絶されるリスク」にも備える必要があります。
たとえ、あなたが正直で、誠意のある人で、毎日善行を心がけていたとしても、世の中にはあなたに会ったこともないのに、あなたの行動を悪く言う人々がいるからです。

あなたが目指しているのがYouTuberであれ、作家であれ、ビジネスマンであれ、拒絶される可能性は常にあるからです。

成功を手にする過程では、拒絶されることもあります。あなたも、このことを本能的に知っていて、「絶対に拒絶されたくない」と、あらかじめ判断を下してしまっている可能性があるのです。その場合、拒絶されてまで「成功の喜び」を手に入れようとはしないのです。

繰り返しになりますが、人間はイヤなことを避けるためなら、幸福感をいともたやすく犠牲にしてしまうのです。

そのため、まだスタートも切らないうちに、脳はあなたの行動を妨害しようとするのです。

往々にして、決断において葛藤をするときには、相対する価値観が混在していることが原因です。

「挑戦」と「安全」も相対する価値観です。

たとえば、いい転職の話があったとき。

転職先の仕事は、給料は上がり、仕事も面白そう。

一方で、転職すれば、多少のリスクがあり、家族を連れて引っ越しするか、単身赴任になるという懸念があります。

このように、挑戦と安全という価値観を内包していると、どちらとも決めきれず、なかなか判断できなくなるのです。

【ワーク3】

ワーク1と2を見て、矛盾している価値観がないか確認する

④望む未来に合わせて価値観を修正する

私たちは、相対する価値観を合わせ持っているときに、葛藤し、判断が遅れたり、先延ばしにして、現状維持にとどまることがあります。

それで、不満や不完全燃焼感を覚えることなく、満足できるのであれば、何の問題もありません。

しかし、葛藤するということは、現状に満足できず、何かを変えたいとの思いがある、何よりの証拠です。

そういう方は、自分が望む未来のために、価値観や価値順位を意図的に変える必要があります。

あなたが、1番に望む「感情」・「状態」と2番目以降の「感情」・「状態」が相対するものであったり、絶対に避けたい感情と対立する場合には、矛盾を取り除く必要があるのです。

先程の、一番の願いが「成功」なのに、避けたい感情が「拒絶」の場合は、「拒絶されるリスク」を受け入れる必要があります。つまり、絶対に避けたいリストから「拒絶」を取り除く必要があるのです。

価値観の矛盾、価値観の対立を見つけて、望む未来のために、受け入れないといけないリスクは受け入れる覚悟が必要になります。

一番望む「感情」・「状態」を手に入れるために、2番目以降の価値観や、絶対に避けたい感情・状態を意識的に変える必要があるのです。

私たちの人生は、これまでの自分のすべての決断によって形作られています。

そのことを踏まえれば、自分の新しい決断によって、新しい人生を形作ることができるということです。

人生を変えるために、新しい決断をしたいのに、なかなか決断を下だせなかったという方は、ぜひ、一番大切なことが何なのかを明確にしてみてください。

そして、それに矛盾したことを自分の中に内包している場合には、それを取り除くことが必要になります。

【ワーク4】

望む未来のために、1番以外の価値観や順位を修正する

自分が望む未来、自分にふさわしい未来を手にするには、何に価値を置くべきか考えます。そして、目標を達成するために「回避したいこと」受け入れる覚悟が必要になります。

人生を変えるためには、決断が重要です。

何も変えなければ、今までの自分のままです。
けれども、新しい決断をすれば、新しい行動がなされ、新しい結果がもたらされるようになります。

まとめ

人生の羅針盤の作り方
【ワーク1】
今現在、人生で大切にしている「感情」状態」をリストアップし、優先順位を付ける。

【ワーク2】
何があっても回避したい「感情」・「状態」をリストアップ

【ワーク3】
ワーク1と2を見て、矛盾したり、対立している価値観がないか確認する

【ワーク4】
望む未来のために、1番以外の価値観や順序を修正する

自分が望む未来、自分にふさわしい未来を手にするには、何に価値を置くべきか考える。

そして、最も大切にしていることに矛盾したり対立する価値観や回避したい感情は、取り除いたり受け入れる。

意識的に「価値観」を選択することで、自分がどんな人間になるか、自分でデザインできる

「人生の羅針盤」は、人生のステージに合わせて更新していくことが必要です。

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