うれし涙を流す生き方に、興味はありませんか?

情熱を持って生き、「心が揺さぶられる程の感動や喜びを感じてみたい」と思ったことはないですか?

そんなあなたのために、今回は、アンソニー・ロビンズ著 『人生を変えた贈り物』のまとめをお送りします。

本のタイトル通り、本書は読者の「人生を変える贈り物」になっています。

真の成功に不可欠なもの

上質な人生を送り、真に成功するために不可欠なものは、他者への思いやりです。

理由:なぜなら、人は一人で生きているわけではないからです。

他者との関わりを持ち、他者を助ける喜びを感じるとき、人は何にも代えがたい幸福感を得るからです。

著者のアンソニー・ロビンズは、そうした人間が根源的にもっている、「人を助けたい」との思いを満たすとき、涙が溢れ出るほどの感動と幸福感があると言っています。

感動をそのまま伝えるために、少し長いですけれども、本文を引用します。

「ある年の感謝祭の日、若い夫婦は暗い気持ちで朝を迎えた。神からの贈り物に感謝する日なのに、ないもののことしか考えられなかった。「ごちそう」を楽しむ日だけれど、あれこれかき集めて貧しい食卓をかざるのが精一杯だろう。地元の慈善団体に連絡すれば、飾り付きの七面鳥も手に入る。でも、そうはしなかった。なぜかって?多くの家庭と同じように、この夫婦もプライドがじゃまをしたからだ。とにかく、家にあるものでなんとかするしかなかった。

しかし状況は厳しく、挫折と失望から、ふたりのあいだには、思いやりのない、とげとげしい言葉が飛び交った。長男は、自分が誰より愛している人どうしが怒りを募らせ、暗く沈んでいくのを見ながら、無力感に打ちひしがれた。

そのとき、運命が顔をのぞかせたー不意に大きなノックの音がして、少年がドアを開けると、大柄な男がよれよれの服を着て立っていた。満面の笑み。抱えた大きなバスケットには、ありとあらゆる感謝祭の贈り物があふれんばかり。七面鳥、詰め物、パイ、スイートポテトに缶詰類など、お祝いのごちそうがすべてつまっていた!

驚く家族に、戸口の男は言った。

「あなた方がお困りだと聞いたある方からです。あなた方のことを愛し、気にかけている者がいることを知ってほしいのだそうです」

最初、一家の主はバスケットを受け取ろうとしなかった。しかし男は言った。

「わたしはお届けするように言われただけなのです」

男は笑顔でバスケットを少年の腕にあずけ、踵を返し、肩越しに言った。

「感謝祭、おめでとう」

その瞬間から、少年の人生は変わった。永遠に。やさしさを示す、ほんの簡単な行為だったが、そこから少年は学んだー希望は永遠に消えることはない。人は、まったくの他人のことでさえ思いやっている。

このときの感謝の気持ちは、少年の心を深く揺り動かした。少年は、いつか自分もこんな贈り物ができるようになろうと心に誓った。そして一八歳になったとき、少年はその誓いを初めて実行した。
自分で稼いだなけなしの金を持って食料品を買いに行った。自分のためにではない。その日の食べ物にも困っていると知った、二組の家族のためにだ。食料を届けるときには、わざと古ぼけたジーンズとTシャツを着て、ただの配達係としてプレゼントを手渡せるようにしていった。

一軒目は今にも倒れそうなあばら家で、応対に出たラテン系の女性は、疑うような目で少年を見た。子どもは六人、亭主は数日前に家族を捨てて出て行った。
家にはまったく食べるものがなかった。

「お届け物です」

そう言うと少年は、車まで引き返し、袋や箱にあふれんばかりの食べ物を運び込み始めた。七面鳥、詰め物、パイ、スイートポテト、缶詰類……。女性が口をあんぐりと開いている横で、子どもたちは、家に運び込まれる食べ物を見て歓喜の声をあげた。

若い母親は、片言の英語しか話せなかったが、少年の腕をつかみ、キスの雨を降らせた。

「あなた、贈り物、神様から。あなた、贈り物、神様から」「ちがうんです」と少年は言った。そして「ぼくはただの配達係です。友だちからこれを預かっています」と言いながら、メッセージを手渡した。

これは友人からのメッセージです。感謝祭を楽しんでください。あなたたちはそれにふさわしい人たちです。自分たちが愛されていることを知ってください。そしていつか、もし機会があれば、同じように誰かに贈り物をしてあげてください。

少年はさらに食料品を運び続けた。興奮と歓喜と愛は最高潮に達した。家をはなれるときには、連帯と貢献の気持ちから、涙があふれた。走り去りながらふり返り、手助けさせてもらった家族の笑顔を見た少年は、自分のストーリーがぐるりとひと回りしたことに気がついたー子どものころのあの「悲惨な日々」は神様の贈り物だったのだ。あの日からずっと、人に尽くすことで満足を得る人生へと導かれてきたのだ。

その日から今日まで、少年は大きな目的を持った旅を続けている。その目的とは、自分と家族に届けられた贈り物を別の誰かに届けること、そして思い出してもらうことだ―辛い状況を変える道は必ずある。あなたたちは愛されている。

簡単なステップと、ほんの少しの理解と、たゆまぬ努力によって、どんな試練でも、それを価値ある学びのチャンスに変え、人としての成長と長い目で見た幸福を実現することができる。」

アンソニー・ロビンズ 『人生を変えた贈り物』成甲書房 2009年 21~25頁

この少年こそ、若き日のアンソニー・ロビンズなのです。

思いやりは、人の人生を変えるほどに、大きな力をもっています。

それは、思いやってもらう人だけでなく、相手を思いやる人にも及びます。

他者を気にかけ、思いやりの行動を取るとき、他では味わうことのできない大きな喜びを感じるのです。

真に成功するには?

自分の人生を振り返ったとき、「本当にいい人生だった」と思える生き方は、どんな生き方でしょうか。

著者のアンソニー・ロビンズは、一つの成功した生き方を提示しています。

真に成功する生き方とは、「他の人が幸福になる手助けをすること」です。

「どうすれば、人々の生活に価値あるものを加えられるか」に焦点を合わせて行動することです。

しかしながら、人に与えるためには、自分が優れた人物になる必要があるのです。

続く

Xにて

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