こんな悩みはないですか?
- 転職やキャリア選択などの、重大な決断がなかなかできず迷っている
- 今の仕事が嫌だ
- いつも人に合わせてばかりで嫌になる
- 周りの期待や社会的圧力に流されている
- 休日に何をしていいか分からない
- 楽しいことがなくつまんない
- 漠然と不完全燃焼感がある
- 仕事やプライベートで満足感が得られない
- 目標や進路が不明瞭
悩みの原因
これらの悩みの原因は、おもに、自分が「行っていること」と自分が「人生で大切にしていること」が一致していなときに生じます。
自分の「行動」と「価値観」の不一致が、不満足感のすべての原因とまでは言えません。けれども、自分が大切にしていることを行うようにすると、今よりも確実に、毎日が楽しく充実したものに変化します。
たとえば、「家族が大切」というAさんがいたとします。
家族が大切だと思いながらも、毎日仕事で忙しくしていて家族との時間が取れずにいます。休日も疲労のせいで、あまり子どもと遊ぶことができないでいたとします。経済的には家族を支えることはできていますが、おそらく、家族への罪悪感や自責の念を感じると思います。
そんなAさんが、意識的に家族との時間を持つようにするとどうなるでしょうか?家族への罪悪感はなくなり、また、家族も喜んでくれるので満足感を得られるようになります。
5段階欲求説で有名なアブラハム・マズローは、心の安らぎや、人生の満足感、充実感は、自己実現したときにもたらされると言っています。
マズローいわく、「自己実現とは、自分の『価値観』と日々の『行動』の一致である」と。つまり、自分が人生で大切にしていることを行っているときに、人は充足感を得るということです。
しかしながら、日々の「行動」と自分の「価値観」が一致せずに生活している人々も少なからずいるのです。
価値観と行動が一致していない場合、「人生がつまらない」、「楽しくない」と感じたり、不満足感やストレスを感じるのです。
また、人生の重大な決断がなかなかできずに葛藤しているという方は、そもそも自分が大切にしていることを認識していない可能性が高いのです。
一方、自分が大切にしていることを明確に認識し、その価値観に沿って生きている人は、決断が早く、迷うことがほとんどないのです。
それだけでなく、生活全般において満足感が高いのです。なぜなら、自分の人生にとって重要なことを行っているのですから、充実しないはずはないのです。
決断において葛藤せず、充実感のある生き方をしてみたいと思う方は、ぜひ、次の項目をごらんください。
自分が人生で大切にしていることを知る
それでは、あなたが「人生で大切にしていること」を確認していきましょう。
これまで、自分が大切にしていることや価値観について考えたことがないという方は、なかなか思い浮かばないかもしれません。ですので、他者の価値観を参考にしながら、考えてみてください。
例)ある男性の価値観
- 謙虚な人間でいる
- 傑出した夫、父親でいる
- 父母との思い出を大切にしている
- 知的成長を育んでいる
- 正直である
- 健康
- 時間を大切にする
- 経済的に自立している
- 毎日の読書
- 人々の生活を変えている
- 他者の話をよく聞くようにしている
- 規則正しい生活
例)ある母親の価値観
- 忍耐強く理解力のある母親でいる
- 知的成長を遂げている
- 子どもに惜しみない援助を与える
- 自分を大切にする
- 夫を愛し、夫に感謝している
- 生産的である
- 経済的に安定している
例)ある男性の価値観
- 健康であること
①食べる物に気をつける。
②定期的にビタミン剤を飲む。
③タバコをやめる。
④もっと運動をする。
⑤体重を減らす。
⑥ストレスをなくす。 - 幸福な結婚生活を送ること
①妻とのコミュニケーションを図る。
②妻の考え、気持ち、必要としていることに気を配る。
③妻と一緒にいる時間を楽しむ。 - 人生(時間)をコントロールすること
①家族と過ごす時間を取る。
②建設的な考え方をする。
③将来および毎日の出来事を計画する。 - 経済的に自由であること
①将来の計画を妻と一緒に立てる。
②出費に気をつける。
③副収入の機会を設ける。 - 信頼に足る人間であること
①他人から倍頼される。
②約束を守る。
③何でもベストを尽くす。
④正直である。
⑤信念を貫く。 - 新しいアイディアを取り入れること
①新しい方法を探る。
②新しいアイディアに耳を傾ける。
③新しいことを学ぶ。 - しっかりした考えのもとに行動すること
①論理的に考える。
②何をするか、自分で決める。
③決めたことは実行する。
④終わりまでやり遂げる。 - 神から授かったものを大切にすること
①明るさを大切にする。
②知性を大切にする。
③自信を持つ。
④思ったことは何でもやってみる。 - 効率的であり、抜けがないこと
①改善方法を探す。
②経過を追う。
③入念に記録をつける。
④問題だけでなく状況についても考える。
⑤初めから正しい方法でやる。
「人生で大切なことリスト」を作る
【ワーク1】
あなたが「人生で大切なこと」を、すべて書き出してみてください。
*「これは変かな」などと思わずに、自分が大切だと思うことをすべて書き出してください。
価値観は、人によって様々です。子どもの頃の生活やこれまでの経験、与えられた才能や興味、性格によって異なってきます。ですので、自分が大切だと思う、その感覚にしたがって大切なことを書き出してください。
価値観に優先順位をつける
自分が人生で大切にしていことを書き出したら、次に順位をつけていきます。
なぜ、自分の価値観に順位を付けるかというと、私たちの持ち時間(人生の時間)は限られていますし、体も一つしかないからです。そのため、とても大切にしていることがバッティングしたとき、どちらかを選ばなければならなくなります。
もし、価値観に順位付けをしていなければ、どちらを選ぶべきか迷い、葛藤することになります。
けれども、価値順位を決めていれば、「より大切な方を優先する」と迅速に決断することができます。価値順位が明確になっていると、その場しのぎの選択に頼ることなく、心やすらかに過ごすことが可能になるのです。
【ワーク2】
書き出した「人生で大切なことリスト」に、1、2、3と順位をつける。
自分が人生で大切にしていること、つまり、自分の価値観が分かったら、充実した満足感のある人生を生きることへと、自身を方向づけたことになります。
これで、順位付けされた「人生で大切なことリスト」ができました。
あとは、この価値観に沿って、自身の決断や行動をしていくようにすればいいのです。
とは言っても、自分の価値観に沿って生きていくのは、最初は大変です。これまで、やってなかった人にとっては、なおさら難しく感じられることでしょう。
そんな方には、自分の価値観を日々の生活の行動に落とし込んでいく方法があるので参考にしてみてください。
自分の価値観に沿って生活する方法
こんな悩みや疑問はないですか?・人生の目標の立て方が分からない・そもそも、目標をどう決めればいいのか分からない・目標の作り方はどうすればいいの?・目標の立て方のコツは・目標実現に向けて継続するコツは?本記事は、このような悩[…]
*人生で大切にしていることは、人生のステージによって変化していきます。
学生から社会人になったり、独身から既婚者になったり、子どもが誕生したりと、ステージが変わるごとに、自分が大切にすることも変わってきます。
ですので、「人生の大切なことリスト」は、ステージが変わるごとに更新していく必要があります。
参考書
『TQ―心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント』ハイラム・W・スミス著 2018年 電子版